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2022年最新版 歯科業界のM&A現況とチェックポイント【業種別M&A】

投稿日:2022年11月7日 最終更新日:

全国の歯科診療所の数は67,755施設(厚生労働省:医療施設動態調査、令和4年8月末概数)と全国のコンビニ件数55,872店(コンビニエンスストア統計調査月報、2022年9月度)よりも多くなっています。

その中で、歯科診療所のM&Aが年々増えています。

今回は歯科業界のM&Aに絞って、その現況とチェックポイントをご紹介させて頂きます。

歯科業界M&Aの現況

①院長(理事長)の高齢化

治療には手元の細やかな作業が求められるため、60歳を迎えられる近辺で視力や体力の低下に伴い、引退を考えられる先生が少なくありません

また、運営には歯科医師免許が必要であり、子息が歯科医師をされていない等、後継者不在の医院が多く、今後も後継者不在や廃院を防ぐためのM&Aがますます増加していくと予想されます。

 

②競争環境の激化

フッ化物の普及や虫歯予防への意識の高まりから、子どもの虫歯(う蝕)有病率が低下し、虫歯治療だけでは医院の収益を上げることが難しくなってきています。

また、競争が激化するなか、予防歯科/訪問歯科/審美歯科/矯正歯科など各専門分野に特化した診療に注力している歯科医院が増加しています。

別の専門分野への進出や規模拡大、他エリアへの進出のために、M&Aを活用するケースもあります。
M&Aは増え続ける競合と専門分野において差別化を図り、生き残るための手段のひとつとなっています。

 

③新たに開業を考えている歯科医師による買収

新規開業を考えている歯科医師による買収も盛んに行われています。

歯科の開業資金は一般的なユニット3台程度の診療所の場合、5,000万円以上と言われています。

しかし、M&Aでは設備や従業員を引き継げるため、開業コストを抑えられるとともに、
前院長のノウハウや既存の患者を引き継げるので、開業希望の歯科医師がM&Aを行うケースが増えています。

歯科業界の重要チェックポイント

①保険診療/自費診療の割合」

ここをチェック!!

前述の通り、保険診療のみでは収益をあげることが難しくなっています。

どれぐらい自費診療を行っているか/どの程度自費診療を伸ばせる可能性があるかが重要となっています。

②医院の環境

ここをチェック!!

まず、下記の3点が重要になります。

・新患が集まるエリアか
・ターゲット層が通いやすい場所に医院があるか(駐車場の有無等)
・歯科衛生士を確保しやすい環境か

次に、ユニット数や歯科衛生士の人数により診察できる患者数も変わるため、下記の2点に注意が必要です。

・診療に必要な設備がどの程度揃っているか
・スタッフの中に経験・知識が豊富な歯科衛生士、医療事務が在籍しているか

③譲渡後の院長/歯科医師の配置

ここをチェック!!

現院長が高齢で、譲渡後に引退を考えている場合、患者が現院長のファンになっている可能性があります。
新たに院長となる歯科医師が既存の患者をしっかりと引き継げるかどうかが重要なポイントです。

④医院の特徴

ここをチェック!!

他院と差別化をはかれる特徴を持った医院かどうかです。
専門分野がある、訪問診療を行っている、患者が集まる工夫をしているなど、他院とは違った特色があることは大きな強みです。

いかがでしょうか。

歯科診療所のM&Aは必ずチェックすべきポイントがあります。
歯科業界に精通していて、信頼できるアドバイザーに御相談下さい。

皆様の成功するM&Aを実現するために弊社も尽力しています。

この記事の執筆者

新川 功雄(取締役副社長/M&Aシニアエキスパート)

早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。

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