M&Aの知識コラムビフォーM&A後継者問題業界再編・法改正譲渡企業様(譲渡オーナー様)向け

これで成功!M&Aの事前準備①(ビフォーM&A)!【M&Aの知識/ビフォーM&A】

投稿日:2021年3月3日 最終更新日:

今回のコラムでは、譲渡を検討されているオーナー様向けに、「M&Aの事前準備(ビフォーM&A)」について、2回に分けてご案内させて頂きます。

弊社では、後継者が見当たらないオーナー様に、自分が引退したいゴールから逆算して5年前よりM&Aの準備をお願いしています。

以前、岡山県にある小売業の社長様より「なぜM&Aの事前準備をするのか?」とご質問を頂いたことがあります。
その際に私は、
「M&Aの事前準備をする=会社の価値を高めることができる」からです。
とお答えさせて頂きました。

譲渡を検討されているオーナー様が「M&Aで”成功”する」ためにも、会社を譲渡される前にこのコラムをお読み頂き、自社の価値を高めて頂きたいと思います。

 

M&Aの事前準備① ビジネスモデル/マーケット
事前準備1

自社の現在も大事ですが、将来を見据えてご準備頂きたいと思います。

例えば、自動車業界であれば、電気自動車への転換が見込まれています。
自動車部品を製造している企業様の場合、部品点数が3分の1になる前に、自社の技術を転用可能な分野に進出できているかどうか、新しい技術を取り入れることができているかどうかが重要になります。

また、取引先が1社の企業様もご注意下さい。
譲受企業(買手)から考えると、1社取引は非常にリスクが高く見えます。
可能であれば取引先を増やすことをご検討頂きたいと思います。

 

M&Aの事前準備② 法務
事前準備2

株式に関わる問題は非常に重要です。
M&Aの場合、譲受企業(買手)は100%の株式譲渡を前提としています。

名義株が残っている場合/所在不明の株主がいる場合/譲渡に反対される株主がいる場合は対処が必要です。
ぜひ、検討初期の段階からM&Aのアドバイザーに御相談されることをおすすめいたします。

たとえば名義株の場合は、
名義株主の承諾が得られる場合は名義変更手続きを行う
名義株主の承諾が得られない場合は強制的な手法で名義株を回収する

といったことが考えられます。

また、訴訟リスクがないかどうかも事前に把握して下さい。
労務に関わる労働災害や未払残業代、環境に関わる土壌汚染は、対応するために多額の費用が必要になるケースがあります。

未払残業代が多額になると想定される場合は、事前に就業規則を整備する
環境に関わる問題が心配な場合は、ボーリングの初期調査を実施する

いずれにしても問題を早期に把握した上で、専門家と対処についてご相談頂きたいと思います。

M&Aの事前準備(ビフォーM&A)は上記のように様々な視点で対応が必要になります。
経験豊富な事業承継・M&Aアドバイザーとご相談頂きながらM&Aを“成功”させて頂きたいと思います。

次回のコラムは、引き続き「M&Aの事前準備=財務/税務、資産、人事労務」について書かせて頂きます。

皆様のM&Aが”成功”することを願っています。

この記事の執筆者

新川 功雄(M&Aシニアエキスパート)

早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。

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