2019年度のM&A件数は過去最高の4,000件を記録したと言われています。
これは前回のコラムにも記載させて頂いたように、「経営者の高齢化や後継者不足」が主な理由と推察されます。
また、2020年度はコロナウイルス感染拡大による先行不安、景気悪化の懸念があるため私としては全体的なM&Aの件数が延期や検討中止のため前年度よりも減少すると考えています。
ただ、広島・岡山・香川・愛媛・徳島といった瀬戸内地方では譲受を前向きに検討される元気な企業様がたくさんいらっしゃいます。
そういった元気な譲受企業様のM&A検討をサポートさせて頂く中でよく頂くお悩み、ご不安があります。
それは、「今までにM&Aをした経験がないから不安だ。」との声です。
今回はそのご不安を解決できる一助と考え、譲受企業様の立場で考えた「アフターM&A」について譲渡後にM&Aが相乗効果を発揮して成功する観点から連載させて頂きたいと思います。
このコラムが皆様の虎の巻となることを願っています。
M&A実行における不安の根源
不安の根源はそもそも相手のことをよく知らないということに尽きると私は考えています。
M&Aはよく結婚に例えられますが、皆様が結婚される際によく知らない相手と結婚することはありえるでしょうか?答えは「ありえない」です。
外見や収入、家族構成といった定量情報、性格といった定性情報を総合的に判断して結婚を決められるはずです。M&Aにも同じことが言えます。
M&Aにおける定量情報=財務情報、得意先/仕入先別実績等
M&Aにおける定性情報=創業経緯、社員の特性、在庫の状態、業界特有の事情等
を総合的に判断する必要があります。
しっかりとお相手を理解した上でM&Aを進めることが必要です。
検討が進んだ際には安心できる専門家に買収監査・企業精査をお願いして下さい。
また、M&A実行前に必ずM&A成立後の「経営理念・ビジョン」の策定をお願いします。
進むべき方向が見つからなければ結婚と一緒で上手くいきません。
ご注意頂きたいと思います。
アフターM&A/PMI
M&A後の統合作業のことをPMI(Post Merger Integration)と呼びます。
難しい言葉ですが、実は簡単です。前述したようにM&Aは結婚と非常によく似ていますから結婚した後に生じる融和のための様々な作業と考えて下さい。
【結婚の場合】
【M&Aの場合】
となります。
結婚もM&Aも同じ人が営むものですから作業的にはあまり変わりません。
ただしM&Aの場合には結婚と違ったちょっとしたコツが必要になります。
次回はそのコツをご案内させて頂きたいと思います。