アフターM&Aコラム事業拡大譲受企業様(買収検討企業様)向け

アフターM&A(PMI)~M&A虎の巻③~【アフターM&A/M&Aの知識】

投稿日:2021年1月21日 最終更新日:

前回のコラムでは、M&A後の統合作業を進めていくにあたって重要なポイント、「マネジメント、人の融和作業」について具体的に書かせて頂きました。

今回も企業の譲受を検討されている方に向けて、M&Aが”成功”するために必要な”ちょっとしたコツ”についてご案内させて頂きたいと思います。

「以前のM&Aでは良く分からずに失敗した」
「M&A後に譲渡企業と相乗効果をしっかり発揮したい。」
と少しでも感じられることがありましたらお読み頂けますと幸いです。

経営理念・ビジョン

M&A実行前に、必ずM&A成立後の「経営理念・ビジョン」を策定することについて、今回はもう少し詳細に書かせて頂きたいと思います。

M&Aを検討、実行するにあたって、経営理念・ビジョンを策定する際のポイントは、

1.譲渡企業の使命とは何か?
2.譲渡企業の顧客とは誰か?
3.譲渡企業の顧客にとっての価値とは何か?
4.譲渡企業の成果は何か?
5.譲渡企業の事業は何になるか?
6.譲渡企業と自社の相乗効果(シナジー)は何か?

になります。

例えば、譲渡企業が印刷業だった場合の顧客にとっての「価値」とは何でしょうか?
ただ単に紙を印刷することが、顧客に提供する価値ではありません。
印刷することでその顧客に「人・情報を集める」ことに価値があるはずです。
価値を満たすことで、成果=顧客の満足があります。

その上で「人・情報を集める」ことを顧客は求めていますが、社会環境の変化があります。
スマートフォン、RPA、DX(デジタルトランスフォーメーション)等の進展で、紙以外の技術、サービスも組み合わせながら時代の変化に対応していく必要があります。

その変化に対応することができれば、チャンスとなり顧客の幅、量が増えるはずです。

またM&Aの場合、自社との相乗効果(シナジー)が特に重要になります。

しっかりとどういった点に相乗効果が考えられるか、事前にご検討下さい。

例えば建設業の場合、建設と電気工事/内装工事/防水工事/管工事などは、非常に親和性が高くなります。

M&Aにおける経営理念・ビジョンの策定は、成立前には「譲渡オーナー」、成立後は「譲渡企業の従業員」にご説明頂く際に非常に重要です。

人は、「何のために」という使命がなければ努力できません。
同時に、「何処に向かって」という方向性がなければ、どう努力していいかわかりません。

譲渡企業、譲受企業の双方の目線を、M&Aがスタートする前から合わせることは非常に重要です。

しっかりと皆様にご検討頂きたいと思います。

人に始まって人に終わる。中小企業のM&Aの本質は人です。
皆様のM&Aが”成功”することを願っています。

この記事の執筆者

新川 功雄(M&Aシニアエキスパート)

早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。

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