M&Aの知識コラムビフォーM&A後継者問題業界再編・法改正譲渡企業様(譲渡オーナー様)向け

これで成功!M&Aの事前準備②(ビフォーM&A)!【M&Aの知識/ビフォーM&A】

投稿日:2021年3月31日 最終更新日:

今回のコラムでは、前回に引き続き譲渡を検討されているオーナー様に向けて、「M&Aの事前準備(ビフォーM&A)」についてご案内させて頂きます。

前回のコラムでは「ビジネスモデル/マーケット、法務」といった視点で、それぞれのチェックポイントをご紹介させて頂きました。

M&Aの事前準備には時間がかかりますが、対策する価値があります。
事前準備をする場合としない場合では、譲受企業(買手)からの評価が全く異なるからです。

「M&Aの事前準備をする=会社の価値を高める」ために、「M&Aで”成功”する」ために、会社を譲渡される前にこのコラムをお読み頂き、自社の価値を高めて頂きたいと思います。

 

M&Aの事前準備③ 財務/税務
M&Aの事前準備3

決算書は会社の通信簿です。
M&Aの場合、その通信簿が譲受企業(買手)から見て、分かりやすいかどうか、不明瞭な内容がないかどうかが重要になります。

例えば、粉飾決算がある場合、課税リスクは最大7年間と非常に長くなりますので、譲渡オーナー様はM&Aで会社譲渡後も、そのリスクを譲受企業(買手)に対して保証する形になります。

対策として一番適切な方法は、「修正申告を行う」ことです。
しっかりと、顧問税理士の先生も交えて対応を御相談下さい。

また、自社の負債に役員借入金がある場合、相続対象財産になります。
現オーナー様がなくなられた際に、自社に役員借入金を支払う余裕がない場合でも、相続人は役員借入金に応じた相続税を支払う可能性が生じます。

そのため、役員借入金について代表的な対策例としては、
繰越欠損金を利用して債務免除益課税を回避する
役員報酬を減額してその差額を役員借入金の返済原資に充てる
となります。

ただし、各企業様によって異なる方法が選択できる場合がありますので、ぜひ御相談頂きたいと思います。

 

M&Aの事前準備④ 資産
M&Aの事前準備4

前述の財務/税務にも関わる内容ですが、「BSを小さくPLを大きく」が会社の価値を高める上で一番重要な点になります。

設備投資を考える場合、新品しかないのか、新古品はあるのか、中古品で代替できるのかをご検討頂きたいと思います。

また、土地に遊休資産がある場合は売却、賃貸、転用をする、自社工場/駐車場の底地の地目が「田・畑」の場合、地目変更を行っておくことが大事です。

しっかりと自社に即した対応を、事前に行って頂きたいと思います。

 

M&Aの事前準備⑤ 人事労務
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譲受企業(買手)から見た場合、ヒトに関わる内容は一番重要です。
M&Aにおいて最大のリスクは、「従業員の離反」だからです。

引き継ぐ際に問題が生じないように、事前に就業規則等の整備をお願いいたします。

また、従業員の確保について自社のホームページがない場合は、ホームページの作成をお願いいたします。

求職者は、必ず事前にホームページがあるかどうかを見て、応募するべきかどうか検討しています。
若い従業員に入社頂くためにも、ホームページは必要です。

上記の通り、M&Aの事前準備(ビフォーM&A)は、様々な視点で対応が必要になります。
経験豊富な事業承継・M&Aアドバイザーとご相談頂きながら、M&Aを”成功”させて頂きたいと思います。

皆様のM&Aが”成功”することを願っています。

この記事の執筆者

新川 功雄(M&Aシニアエキスパート) 

早稲田大学卒。大手サービス会社、マーケティング会社、外資系企業に勤務。赤字債務超過の中小企業を経営し、黒字企業に立て直した後、自身の会社を事業譲渡して、2016年から現職。首都圏への進出、上場企業のM&A支援等を経験。

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